ミュージカル『ビリー・エリオット~リトルダンサー~』を観てきました。日本版です。
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赤坂ACTシアターにて、母と。
7月にも編集者さんに誘われて行ったので、今回で二回目です。
ロンドン版、映画版がとても評判がいいのは知ってたんだけど、なんとなくこれまで観ないままで来てしまって。
でも日本版で初めて観たら、かなりの強さで一気に心を持って行かれました! 
すばらしい作品! 誘ってくれた編集者さんに感謝です。
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舞台は1984年のイングランド北部の炭鉱の町。男性はみんな炭鉱夫になるような町だけど、時の首相のサッチャーの経済政策により炭鉱は閉鎖に追い込まれていて、炭鉱夫たちはストライキに突入。
そんな中、お父さんもお兄さんも炭鉱夫という環境の12歳の少年ビリーはバレエに出会い、「自分はこれがやりたい!」と思うように。
しかし、バレエなんて女のするもんだ! 町がこんな時にそんなお金のかかること! と、周囲の大人からは理解が得られなくて…
というようなストーリー。

子供と大人、変わり行くものと守り続けたいもの、都会と田舎、芸術と労働、など。
相反する二つのものに対し、どちらが良でどちらが否、というのではなく、平等に愛情と敬意を注いでいると思える脚本がとてもよかったです。
思春期の子供の葛藤と成長を見て、不完全な大人たちもまた成長していくという、少年少女ものの王道なのもよい。
キャストの「芸」もすごいです! 子役からここまでのパワーをもらえるなんて!
音楽はエルトン・ジョン。こちらもよかった。これまで自分がエルトン・ジョンの音楽が好きという意識はなかったんだけど、このミュージカルにおける楽曲はとても好みでした。
ミュージカルっていうと、クラシカルで優雅なイメージが強い人も多いようですが、最近は現代ミュージシャンのロック、ポップ調のものもとても多いです。そして私は、どちらかというとそちらの方が好み。

作中では炭鉱夫たちから、絶対悪のような扱いを受けている、首相のマーガレット・サッチャー。
私は79年生まれなので、私にとっての一番最初のイギリスの首相が彼女ですね。
我が家もそうでしたが、共働き世帯が増え始めた時代だったので、周囲の働く大人の女性たちは、「鉄の女」の異名を持つサッチャーに、多かれ少なかれ憧れを抱いていたように思う。
でも、切り開こうとした人だから、切り捨てようとした人でもあって、彼女を悪として恨んでいる人もいるのですよね。
数年前に亡くなった時、ニュースでサッチャー否定派の人たちが、ミュージカル映画『オズの魔法使』の楽曲の「Ding-Dong! The Witch is Dead」を集まって歌っていたのを見たのですが、これにもすごく感じるものがありました。
竜巻で飛ばされたドロシーの家がオズの国で小人を支配していた魔女の家に落ちて、小人たちが「わーい! 魔女が死んだ!」とドロシーにお礼を言う歌なのです。
それこそどちらが正しくて間違っているとかではないけど、日本は亡くなった人に石を投げるということをしない国なので、「そ、そうか、魔女なのか…」と衝撃でした。

そんな風に、自分が子供だった頃のよその国の空気を感じられる、という意味でも、私にとってすごく触れてよかった作品だったなあと思う。
自身の幼少期が「時代」として描かれて、良質な作品として後世に残っていくのだから、現代エンタメ作家の私も、自分が感じてる「今」をどんどん描けばいいのですよね、描くのがいいんだよね、と思えました。
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写真はカーテンコール後の、ビリー役とマイケル役の子役さんたちのトークショーでの一コマ。
撮影OKだったのですよー。作中のビリージャンプを披露してくれました。携帯カメラ撮影にしては、躍動感がちゃんと撮れたと思う!