寄席を初体験してきました。
上野の鈴本演芸場にて。

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以前にシェアオフィスの方たちと、横浜にぎわい座の円楽さんの独演会に行った話をここに書いたら、落語好きの友達が、「今度は寄席に行ってみる?」って誘ってくれたの。
面白かったですよー! 
最初は四時間の長丁場と聞いて、寝てしまったらどうしようって少し緊張してたんですが、落語以外にも漫才、曲芸、手品、紙切りと、色んな演芸が詰め合わせだったので、一度も眠気に襲われることなく、ずっと楽しんで見て聞いてました。
友達のお勧めのカツサンドを買って行って、聞きながら食べたのも楽しかった。
昼の部だったんですけど、缶ビールや缶チューハイを片手に、というお客さんもいっぱいいた。
私もちょっとやってみたかったけど、初めてなので今回は自粛。でも次はしちゃおうかな、へへ。

紙切り芸がすごい!
切るもののテーマは客席からリクエストを聞いてもらえるよ、季節ものや時事ネタが通りやすいよって友達が教えてくれて、「何かある?」と聞かれたので、
先週の日記で書いたように、梅見に行ったばかりだったので、「じゃあ梅」って答えたら、友達が「梅の花」ってリクエストしてくれたのです。
それが通って、切ってもらえたんですが、できあがったのが、これ。
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「梅の花」だから、お花のアップになるのかなーと思ったのに!
物語が見える~! すごい!!
世界には、色んなプロフェッショナルな人がいるんだなあと思いました。

これ、リクエストが通ったら、お土産にもらえるんですって。
元は私の案だからって、友達が譲ってくれました。
ありがとう! いい記念になったー。

この日に聞いた落語は全て古典だったのですが、落語は詳しくないけど、一つ知ってる話がありまして。「千早振る」という話。
百人一首の中の在原業平の歌。
「ちはやふる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」
の歌の意味を聞かれて、本当は知らないご隠居が、竜田川っていう力士が千早と神代っていう花魁に振られて~と適当な説明をするーーというものなんですが、
聞きながら、「私この話なんか知ってる気がする!」ってなりまして。「でもどうして知ってるんだっけ?」と一生懸命考えた結果、子供の頃、父親から聞いたことがあるんだ! と思い出しました。

私、百人一首が好きな子供だったんですよ。今は多分もう無理だけど、中学生の頃は、百首すべてそらで暗誦できました。カルタ競技をやってたわけでもないから、暗誦できても何の役にも立たなかったんですけどね。単に好きだったんです。
で、当時、百人一首の本などを読み耽っていた私に、父が「お、その『ちはやふる』の歌の意味知ってるか? 竜田川って力士がなあ~」なんて、教えてくれたような。
私は歌の意味もすべて理解した上で覚えていたので、「何適当なこと言ってんだか」って思ったんですが、当時。
あれ、落語だったのかー。ご隠居の役をしたわけですね、父は。なかなか粋なことしなさる。
時を経て「粋なことしなさったね~」って父に連絡してみようかなーとも思ったけど、きっと覚えてないだろうな。

寄席、とても面白かったので、また行きたいな。
友達が勧めてくれた入門本、ちくま文庫の『落語百選』の春編を、とりあえず買ってみました。
早速読み始めてます。
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我ながら、趣味に勤しむこの頃だなーと思う。
小田原で、気の早いお花見をしてきました。
梅見、桜見。
梅は曽我梅林、桜は松田町の河津桜です。

敵討ちで有名な曽我兄弟の縁の地の、曽我梅林。広い!
ここに居た時は天気がよくあたたかかったこともあり、広い敷地をゆっくり散歩しながらの梅見は心地よかったです。
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地元の方たちとちょこちょこ交流させてもらえたのも、朗らかな気分に。

小田原在住の友人が駅まで迎えに来てくれて、車で向かったんですが、最初、駐車場の場所がわからなくて。
道で遭遇したお散歩中の保育園児の引率の先生に訊ねたら、後から梅林の特設舞台で、さっきの園児たちが「梅の歌」(確かこんなタイトル)を歌って踊っているのを発見!
舞台を見た後、さっきの先生に「おかげさまで無事に着けました」ってお礼を言ったら、晴れ舞台を終えたばかりの園児たちも、「こんにちはー」「バイバーイ」って笑って話しかけてくれて、かわいらしかったです。
お散歩じゃなくて、舞台出演のための移動だったのね!

車を停める時も、「もっと右!」「もっとバック!」と、頼んだわけじゃないのに、犬の散歩中のおじさんがナビをしてくれて。
車を降りてからお礼を言ったら、「明日だったら流鏑馬をやってて、盛り上がるのに」「明日もおいでよー、楽しいよー」って、にこやかに会話してくれました。

みなさん、この梅まつりに愛着を持っていらっしゃるのね~。
と思って、気分よくなったから、つい甘酒なんてヘラヘラ飲んじゃったわよ。
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松田町の河津桜も満開!
河津桜は早咲きっていう知識ぐらいは持っていましたが、2月上旬でこんなに満開とは!
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ここに居る時は、日がかげって冬の気温で震えるほどだったんですが、
群生の菜の花も咲いていて、眼下はすっかり春!
不思議な体験ができました。

ところで梅って、サクラに分類されるってご存知でしたか?
私は去年のお花見の頃に夫から聞いて、いやいやいや嘘でしょ、そんなわけないでしょ、梅が桜なんて! と調べてみたら本当でね、びっくりしましたよ。
バラ科サクラ属なんですって。

じゃあ桜はなんなのよ、と調べたら、今度はモモに分類されるって出てきたから、もう何がなんだか。
バラ科モモ亜科スモモ属、なんですって。
スモモまで出てきましたよ。なんか落語のような風合いの、冗談みたいな本当の話。

素人に理解するのは難しいわ、この入り乱れ方は。
でも何科なのか何属なのか、そもそも科や属の概念さえもわかってなくても、梅も桜も美しいから、それでいいのですよ。
理解するのではなくて、感じるのが大事。
これ文系人間の常套句ですが、この日は本当に眼福にあずかったからいいの。

帰りには小田原駅で、曽我兄弟の名前にちなんだ、五郎梅、十郎梅の梅干しを買いました。
眼だけじゃなく、舌もお腹も満たしてもらえて、幸せな一日でした。

文庫新刊が発売になりました。
幻冬舎文庫より、『女の子は、明日も。』。
よろしくお願いします。
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表紙絵は単行本から引き続き、谷川史子さん。
解説は、滝波ユカリさんが書いてくださいました。

中高生の頃、谷川史子さんの漫画がすごく好きだったんですよね。
そして滝波ユカリさんは、作家デビューしたばかりの頃、編集者さんから「飛鳥井さんと同世代の漫画家さんで、面白いんですよー」と勧められてから、好きになった漫画家さん。
大好きな漫画家さんたちが彩ってくださって、とても幸せな一冊になりました。
谷川さん、滝波さん、本当にありがとうございました。
たくさんの方に、手に取ってもらえますように。

タイプの違う、高校の同級生だった四人の「女の子」たちが、32歳になって再会するという話です。
かつて女の子だった女性たちの、大人の友情の話が書きたかったのです。

「女性同士の友情」って、笑顔を浮かべながらテーブルの下では足を蹴り合ってるんでしょ? 
なんて言われたりして、時に、じゃなくて、かなり頻繁にかな、それが下世話な笑いとして消費されるようになって久しいなあと思いますが。
わざわざ語るまでもないことだけど、女性の友情=黒い、だけなわけはないし、そういう側面があったとしても、だからって女性の友情のきれいな部分、明るい部分まで、その黒さに染められてしまうわけでは決してない。
そういう思いから、描いた物語です。

私は今、30代の後半ですが、これまでの人生を振り返ると、本当に同性の友人には、いつの時代も助けられてきたなあと思うのです。
あ、男性にはわからない!とか、男性は頼りにならない!なんて、乱暴なことが言いたいわけじゃないですよ。
ただ、現代社会の仕組みの中で、右往左往しながら生きていると、どうしたって、時に自分の性別に基づく悩みや痛みに遭遇するのですよね。
そういう時、同性の友人って、どれだけ頼もしい存在か。
自分より長く生きている同性の友人には、それらとの向き合い方を教えてもらったし、同世代の同性の友人は、いつも一緒になって闘ってくれたなあ、と思う。
「いい大人」として生きるこれからは、自分もしてもらってきたように、自分より若い同性の友人に、さりげなく頼もしく寄り添ってあげられる人になりたいな。

女性同士の友情の、黒いだけじゃない「物語」は、今後も描き続けたいと思います。
まずは文庫になった『女の子は、明日も。』を、どうぞよろしくお願いします!



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去年末のことですが、六本木でやっている『マリー・アントワネット展』に行ってきました。
2月26日までやってます。こちら。
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日本ではマリー・アントワネットというと、「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」と、『ベルサイユのばら』のイメージが強いんだと思いますが、
この展示はそういうイメージを誇張せず、歴史的資料や調度品から、フラットな目線で歴史上の人物としてのマリー・アントワネットに思いを馳せてみましょう、彼女にどんなイメージを抱くかはあなた次第よ、という風合いのもので、よかったです。

ただ、私も一緒に行った友達も『ベルサイユのばら』好きなので、結局ベルばらネタで盛り上がっちゃったりはしたんですけどね。
ベルばらではTHE悪女として登場する、ルイ15世の愛妾デュ・バリー夫人の肖像画が、パステルカラーのかわいい服を着た、色白で華奢でとても愛らしい女性だったものだから、
「え、これがデュ・バリーなの?」「そうなの? デュ・バリーかわいいじゃん!」って興奮したり。
ルイ16世の血縁関係らしいんだけど、いまいちどういう人かわからない女性たちの肖像画を見て、
「マリーがベルサイユに来た時に、『デュ・バリーとは仲良くしちゃダメよ!』って吹き込んだおばさんたちじゃない?」「あー、あのお節介な三人組のおばさんたちか!」と納得したり。

そして私たちだけじゃなくて、来場者はやっぱりベルばら好きな方も多かったようで、特にデュ・バリーさんの肖像画前では、「これがデュ・バリー!?」「そうなの!?」って声がしょっちゅう上がってました。
ベルばらのデュ・バリーさんは悪女ぶりが突き抜けてて、私は好きだけどね、キャラとしては。
あ、でも同じ悪女でもジャンヌの「悪」っぷりは、人間味がなくて嫌。
って、ベルばらわからない人には何が何やらの話で、すみません。

で、この、イメージを押し付けてこないマリー・アントワネット展を見て、私がマリーさんに持ったイメージはというと…。
なんていうか、明るくて新しいもの好きで、オシャレで元気な女の子だったのかなーと思いました。
文化系女子ではない印象。その分、性格が面倒くさくなさそうだけど、でもあまり深みもなさそう。
現代でいうと、小さな頃から「女の子」で、流行ものに飛び付いて、オシャレを楽しんで、若いうちに結婚して子供を産んで、若くて気のいいお母さんになるような。
よく言えば天真爛漫で、でも悪く言うとあまり深く物事を考えなくて、故に誤解されやすかったり、色々選択を間違っちゃったりすることもあって…という感じ。
きっと悪い子ではない、寧ろすごくいい子なんだけど、そういう人柄と、生まれ落ちた立場と時代とが掛け合わさって、ああいう事になっちゃったのかなーと。
あくまで個人の感想、想像です。

「チェイルリーからモンメディまでの聖家族の一跨ぎ」という風刺画が興味深かったです。
革命後、元愛人のフェルゼンの手引きで、夫のルイ16世や子供たちと一緒にパリから逃亡しようとしたマリーが、国境近くのヴァレンヌという町で捕まった時の風刺画なんですが、
この逃亡劇はマリーが仕切ってたんだよーという表現なのか、ふてぶてしい表情をしたマリーさんが、背中に夫と息子を背負って、チェイルリ―宮殿の屋根から、モンメディ(ヴァレンヌの中の地名?)の崖の上まで、よいしょっと一跨ぎしている絵なのです。
それで、この絵がなんていうか、マリーへの悪意と嫌味に満ち満ちていて、でも色遣いやタッチは近代的でオシャレで、絵としてはいいな、部屋のインテリアとして欲しいわ、と思うようなもので、
フランスって、1700年代のこの時代から、風刺画文化が隆盛してたんだなあ、、、って、しみじみ思いました。

展示の後は、ヴェルサイユを意識した(?)、お茶とお菓子を。
本当は優雅にホテルのアフタヌーンティーをしようと思ってたんだけど、時間が間に合わなかったの。
でもこの日のハンカチは、ちゃんとフェイラーのマリー柄でしたよ! 
ちゃんと、って何だ。写真ぶれてるし。

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最後に、この日の展示で買ったグッズと、以前にベルばら展で買ったグッズと色々。
いただき物もあり。

ベルばら好き同士で話をすると、必ず「どの男性キャラが好き?」って話になりませんか?
私の周りのベルばら好きの人たちとは、もれなくなります。
自称、日本一感性がスタンダードな作家、な私は、スタンダードにフェルゼンが好きです。
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参加したアンソロジーが発売になっています。
『リアルプリンセス』、ポプラ社からです。
よろしくお願いします。
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表紙がとてもかわいいです!
ぜひぜひジャケ買いしちゃってください。

古今東西のプリンセス・ストーリーを、現代に置きかえると…? というテーマです。
依頼を頂いた時、おもしろそうだなあと思って、「やります! 書かせてください!」と、即返事をしました。
そして実際、すごく楽しみながら書かせてもらいました。
またこういうの、やりたい。

すべての女性がお姫様に憧れてるわけではないよー、とか、
お姫様って王子様と結婚したらお話が終わるけど、人生はそこで終わらないでしょ? 
というような視点は、私もこれまでの著作でよく書いてきましたし、現代ではそういう視点があるのが普通ですよね、と思いますが。

でもそういうこと言いながらも、じゃああなたは子供の頃、お姫様に憧れなかったの? と聞かれたら、私はとっても憧れてました。お姫様の話、大好き。
でもそれは決して、お姫様という立場に生まれ落ちたかった! とか、王子様に迎えに来てもらって人生の面倒を見て欲しい! とか、そういう人生観に絡むものじゃなくてね。
ドレスかわいいー、私も着たい! とか、お城素敵だなあ、私も住みたい! とか、かなり直感的で嗜好的な憧れです。
そしてお姫様に限らず、魔女や、森の動物や、非プリンセスの女性主人公、例えば赤ずきんちゃんなんかにも、いいなあ! 好き! って思ってました。
単なる西洋童話好きだった気がします。

あ、でもこの『リアルプリンセス』のモチーフになっているお姫様は、西洋童話のお姫様だけじゃなくてね。
バリエーションも色々で、本当に面白い一冊なので、ぜひぜひ読んでくださいませ。

私がモチーフにしたのは、グリム童話の『おどる12人のおひめさま』です。
(『踊ってぼろぼろになった靴』というタイトルで収録されている本もあります)
あまり有名な話じゃないんですけど、なんだ? と思わせる物語の入口が面白くて好きなのです。
12人のお姫様を持つ王様は、毎晩しっかり姫たちの部屋に鍵をかけて、彼女たちを管理しているけれど、朝になるとベッド脇の姫たちの靴が、どこかに出かけたみたいにぼろぼろになっている。
どうして? 姫たちが夜中に何をしているのかを突き止めた人には、一人好きな姫を娶らせるぞ!
という話です。
お話の中に描かれている「何か」に焦点を当ててオマージュにするのか、物語の流れをそのままに現代に置きかえて描くのか、などなど、色んな手法があるなあと思いましたが、私は今回は、物語の流れをそのままに書いています。
なので、王様を、12人のお姫様を、怪しげな老婆を、謎を解く負傷した旅人を、現代で何に置き換えるか…と考えるのが、本当に楽しかった。

テキストにしたのは、エロール・ル・カインの『おどる12人のおひめさま」。
在庫があった、アマゾンへリンクを貼りますね。
 (Click!) 
こちら、カインの繊細なタッチで、12人のお姫様のドレスが楽しめるので、お勧めです。
ぜひ『リアルプリンセス』と併せて楽しんでください。

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